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2008.11.07
1971 CHASE 「Get It On 邦題:黒い炎」
いやあ今日は本当に寒い1日でした。今夜から明日朝にかけていきなり吹雪になりそうな予報も出ています。昨日までは20度近い気温で、一夜明けたら2度とか3度・・・・。この気候の変化にカラダがついていかず、おバカな小生もちょいと風邪っぽい感じです。
さてこんな寒い日の出来事を綴ったデタラメ五・七・五。
その壱 「立冬に 車洗って 身が凍る」
その弐 「荒らし前 庭の樹木も 冬支度」
昨日の夜クルマのボンネットに、ポツンと一点白いものを発見してしまいました。
そうです鳥の糞です。昨日病院に通院したとき病院の駐車場で頂戴したものかなと思うのですが、「よりによってこんな時期に置き土産を残していくこともなかろうに・・・・。」とガッカリしてしまいました。
ウンが良いのか悪いのか? ツイているのかいないのか? 少なくとも小生のクルマには<ウン>が<ツイて>いました。小生の運やツキは所詮こんなもんです。
かなり気になったのですが夜中に洗車も何なので翌日回しにして、今日洗おうと思って外に出たら、「冗談じゃないよ!」と言いたいくらい死ぬほど寒い・・・・。それでもこのまま凍っちゃったらまた面倒なので、覚悟を決めて寒い中その部分だけ洗車しました。水は切るように冷たく、寒風は吹きすさぶで、ほんの10分程度作業しただけで、本当にカラダが凍えるような思いをしました。ここ北国では冬場の手洗い洗車は地獄絵図そのものです。
もうひとつは、今朝早々庭の面倒を見てくれている業者がやってきて、わが庵のわずかばかりの庭木に雪囲いをしていきました。こんな感じです。いよいよこれらがスッポリ雪の下に埋もれてしまう季節がやってきます。そんなことを思うとまたもや気分が滅入ってしまいます・・・・・・。
雪囲いとはこんな感じです。(ちなみにこれはわが庵の庭ではありません・・・・。)

さてさて、気分を変えていきます。本日は怒涛の洋楽シリーズ、ブラス・ロック編の最終回 CHASE(チェイス)です。
ChicagoやBlood Sweat & Tears を聴いてきた小生にとって、最後に登場したこのCHASEのサウンドは、それまでのブラスロックとはまた一味違うものでした。
一言で言うと、「シャープで尖がっている。」
それは、ブラスセクションがトランペット4本だけという、従来にはない構成だったからかもしれません。
小生が持っているEP盤、「チェイス 黒い炎 原題:Get it on」を改めて取り出して眺めてみると、ライナーノーツは何とジャズ評論家の岩波洋三氏が書いているではありませんか。
中学3年当時の小生には良く知らない人名が山ほど出てくるは、知らない言葉が山ほどでてくるはで、何が何だかわからないような解説だったのですが、今になって読み返してみると「へえーー、そうだったんだ・・・・。」ということばかりでした。

まず、メンバーがすごい。
■ビル・チェイス(Tp) : リーダー。メイナード・ファーガソン楽団、スタン・ケントン楽団、ウディ・ハーマン楽団という名門ジャズ・ビッグ・バンドで演奏。
□デビッド・ピアースフィールド(Tp)
□アラン・ウエア(Tp)
□ジェリー・ヴァン・ブレアー(Tp) いずれもジャズメンとしての経歴を持つ。
□ジェイ・バリッド(Ds) : ビル・エバンス(P)、クラー・クテリー(Tp)、ベニー・ゴルソン(Ts)らと共演。
□フィル・ポーター(Org) : ズート・シムズ(Ts)らと共演。
□エンジェル・サウス(G)
□デニス・ジョンソン(G) いずれもベテランのロックミュージシャン。
□テリー・リチャーズ(Vo) : 4才からプロとして歌ってきったと言われる実力派ヴォーカリスト。
以前、BS&TがJazzからのロックへのアプローチと書きましたが、このChaseはまさに現役Jazz Musicianを集めて作り上げたJazzロックバンドとも言うべき存在です。
トランペット4本という構成は、Bigband Jazz における標準的なトランペット・セクションの構成に他なりません。
ジャズ畑のど真ん中にいたビル・チェイスが、何故にロックへのアプローチを志したのか? という点に関しては、 「ビートルズを聴いてからロックに興味を持った」らしく、ビッグバンドジャズの時代にはなかなか自由に表現できなかった自分の音楽を思い切って表現したくなった・・・・・ということなのだと思います。また時代的にもJazzが次第に下火になり、ロックの商業的成功も魅力的だったのではないか?とも思ったりもします。(それほど、Jazzはカネにならんのです・・・・・。)
まずは聴いてもらいましょう。
1971 CHASE 「Get It On 邦題:黒い炎」
イントロ部分からハイトーンのトランペット群が「これでもか!」というインパクトで響き、突撃していくような曲調で息をつかせることなく迫り続けてきます。トランペットのメンバーはジャズ畑出身ですが、ジャズっぽい側面はあまり感じさせません。メイナード・ファーガソンばりのハイ・ノートも時折聴かせますが、「黒い炎」でのトランペットの見せ場は、何と言ってもチェイスの名のごとく一人のソロを追いかけるような中間部分なのかなあ・・・。いずれにしても複数のラインをトランペットが吹き分けるなどアレンジも驚くほどタイトで、とにもかくにも「カコイイ!!!」。
それとラストについたジングルのようなリフがこれまた、とてつもなく「カコイイ!!!」。この曲の魅力にに最後のダメ押しをしています。
それほどもでにデビューシングル「黒い炎」のインパクトは絶大でした。原題「Get it on」と称するこの曲は全米で71年の夏に大ヒット、翌年度のグラミー賞にもノミネートされるなど、一気にロックシーンを駆け上がりました。
1971年にファーストアルバムを出し、翌72年には来日も果たしました。そして運命の1974年、大雨の中リーダーのビル・チェイスを含むメンバー3人を乗せた飛行機が墜落、搭乗していた3人すべてが壮絶な死をとげてしまったのです。
しかし、飛行機を嫌いバスで移動した残りの3人は助かり、後に「サバイバー」を結成することになります。作ったグループ名が「サバイバー」(生存者)とは一見皮肉な名前ですが、以前ここでも紹介したTHE IDES OF MARCH の中心メンバーだったジム・ピートリックが同じブラスロックの仲間として、Chaseの生き残りのメンバーたちと新しいグループを結成したという経緯を考えると、「サバイバー(生存者)」というグループ名には深い意味が込められていたのだと感じます。
それにしても、CHASE・・・・・。その音楽のように、疾風怒濤のようにロック界を席巻し、あっという間に去っていってしまった・・・・・。人の運命とは本当に儚いものです。
しかし偉大な音楽はしっかりと後世に伝わっています。まさに「本物なればこそ」です。
この「黒い炎」、日本では和田アキ子さんが良くカバーして歌っていますが、小生はあまり快く思っていません。できることならばレパートリーから除外してもらいたいというのが本音です。
彼女は自分の声質と迫力あるヴォーカルがこの曲にマッチしていると思って選曲したのだと思うのですが、結局彼女はCHASEっぽいアレンジ施したビッグバンドをバックバンドとして自分のヴォーカルを聴かせているわけです。
小生はCHASEはトランペットが主役でヴォーカルは脇役なんじゃないかと思うんですな。いや、主役・脇役という言い方はちょっと違うかもしれません。全てが渾然一体となって突進していく・・・・・。9人のバンドメンバー全員で一塊となって存在しているように感じるんです。
ですから、和田アキ子さんがバックバンドをしたがえて気持ち良く歌っていても、「それはCHASEの目指したものとは全く違う・・・・。」という感覚になるのかもしれません。
カバーを歌うということは、ヘタをすると原曲を冒涜しかねません。
本当に難しいものですなあ・・・・。
最後に話が横道に逸れてしまいましたが、ブラスロック編はこれにて終結。
次は何が飛び出てきますか 乞うご期待。
さてこんな寒い日の出来事を綴ったデタラメ五・七・五。
その壱 「立冬に 車洗って 身が凍る」
その弐 「荒らし前 庭の樹木も 冬支度」
昨日の夜クルマのボンネットに、ポツンと一点白いものを発見してしまいました。
そうです鳥の糞です。昨日病院に通院したとき病院の駐車場で頂戴したものかなと思うのですが、「よりによってこんな時期に置き土産を残していくこともなかろうに・・・・。」とガッカリしてしまいました。
ウンが良いのか悪いのか? ツイているのかいないのか? 少なくとも小生のクルマには<ウン>が<ツイて>いました。小生の運やツキは所詮こんなもんです。
かなり気になったのですが夜中に洗車も何なので翌日回しにして、今日洗おうと思って外に出たら、「冗談じゃないよ!」と言いたいくらい死ぬほど寒い・・・・。それでもこのまま凍っちゃったらまた面倒なので、覚悟を決めて寒い中その部分だけ洗車しました。水は切るように冷たく、寒風は吹きすさぶで、ほんの10分程度作業しただけで、本当にカラダが凍えるような思いをしました。ここ北国では冬場の手洗い洗車は地獄絵図そのものです。
もうひとつは、今朝早々庭の面倒を見てくれている業者がやってきて、わが庵のわずかばかりの庭木に雪囲いをしていきました。こんな感じです。いよいよこれらがスッポリ雪の下に埋もれてしまう季節がやってきます。そんなことを思うとまたもや気分が滅入ってしまいます・・・・・・。
雪囲いとはこんな感じです。(ちなみにこれはわが庵の庭ではありません・・・・。)

さてさて、気分を変えていきます。本日は怒涛の洋楽シリーズ、ブラス・ロック編の最終回 CHASE(チェイス)です。
ChicagoやBlood Sweat & Tears を聴いてきた小生にとって、最後に登場したこのCHASEのサウンドは、それまでのブラスロックとはまた一味違うものでした。
一言で言うと、「シャープで尖がっている。」
それは、ブラスセクションがトランペット4本だけという、従来にはない構成だったからかもしれません。
小生が持っているEP盤、「チェイス 黒い炎 原題:Get it on」を改めて取り出して眺めてみると、ライナーノーツは何とジャズ評論家の岩波洋三氏が書いているではありませんか。
中学3年当時の小生には良く知らない人名が山ほど出てくるは、知らない言葉が山ほどでてくるはで、何が何だかわからないような解説だったのですが、今になって読み返してみると「へえーー、そうだったんだ・・・・。」ということばかりでした。

まず、メンバーがすごい。
■ビル・チェイス(Tp) : リーダー。メイナード・ファーガソン楽団、スタン・ケントン楽団、ウディ・ハーマン楽団という名門ジャズ・ビッグ・バンドで演奏。
□デビッド・ピアースフィールド(Tp)
□アラン・ウエア(Tp)
□ジェリー・ヴァン・ブレアー(Tp) いずれもジャズメンとしての経歴を持つ。
□ジェイ・バリッド(Ds) : ビル・エバンス(P)、クラー・クテリー(Tp)、ベニー・ゴルソン(Ts)らと共演。
□フィル・ポーター(Org) : ズート・シムズ(Ts)らと共演。
□エンジェル・サウス(G)
□デニス・ジョンソン(G) いずれもベテランのロックミュージシャン。
□テリー・リチャーズ(Vo) : 4才からプロとして歌ってきったと言われる実力派ヴォーカリスト。
以前、BS&TがJazzからのロックへのアプローチと書きましたが、このChaseはまさに現役Jazz Musicianを集めて作り上げたJazzロックバンドとも言うべき存在です。
トランペット4本という構成は、Bigband Jazz における標準的なトランペット・セクションの構成に他なりません。
ジャズ畑のど真ん中にいたビル・チェイスが、何故にロックへのアプローチを志したのか? という点に関しては、 「ビートルズを聴いてからロックに興味を持った」らしく、ビッグバンドジャズの時代にはなかなか自由に表現できなかった自分の音楽を思い切って表現したくなった・・・・・ということなのだと思います。また時代的にもJazzが次第に下火になり、ロックの商業的成功も魅力的だったのではないか?とも思ったりもします。(それほど、Jazzはカネにならんのです・・・・・。)
まずは聴いてもらいましょう。
1971 CHASE 「Get It On 邦題:黒い炎」
イントロ部分からハイトーンのトランペット群が「これでもか!」というインパクトで響き、突撃していくような曲調で息をつかせることなく迫り続けてきます。トランペットのメンバーはジャズ畑出身ですが、ジャズっぽい側面はあまり感じさせません。メイナード・ファーガソンばりのハイ・ノートも時折聴かせますが、「黒い炎」でのトランペットの見せ場は、何と言ってもチェイスの名のごとく一人のソロを追いかけるような中間部分なのかなあ・・・。いずれにしても複数のラインをトランペットが吹き分けるなどアレンジも驚くほどタイトで、とにもかくにも「カコイイ!!!」。
それとラストについたジングルのようなリフがこれまた、とてつもなく「カコイイ!!!」。この曲の魅力にに最後のダメ押しをしています。
それほどもでにデビューシングル「黒い炎」のインパクトは絶大でした。原題「Get it on」と称するこの曲は全米で71年の夏に大ヒット、翌年度のグラミー賞にもノミネートされるなど、一気にロックシーンを駆け上がりました。
1971年にファーストアルバムを出し、翌72年には来日も果たしました。そして運命の1974年、大雨の中リーダーのビル・チェイスを含むメンバー3人を乗せた飛行機が墜落、搭乗していた3人すべてが壮絶な死をとげてしまったのです。
しかし、飛行機を嫌いバスで移動した残りの3人は助かり、後に「サバイバー」を結成することになります。作ったグループ名が「サバイバー」(生存者)とは一見皮肉な名前ですが、以前ここでも紹介したTHE IDES OF MARCH の中心メンバーだったジム・ピートリックが同じブラスロックの仲間として、Chaseの生き残りのメンバーたちと新しいグループを結成したという経緯を考えると、「サバイバー(生存者)」というグループ名には深い意味が込められていたのだと感じます。
それにしても、CHASE・・・・・。その音楽のように、疾風怒濤のようにロック界を席巻し、あっという間に去っていってしまった・・・・・。人の運命とは本当に儚いものです。
しかし偉大な音楽はしっかりと後世に伝わっています。まさに「本物なればこそ」です。
この「黒い炎」、日本では和田アキ子さんが良くカバーして歌っていますが、小生はあまり快く思っていません。できることならばレパートリーから除外してもらいたいというのが本音です。
彼女は自分の声質と迫力あるヴォーカルがこの曲にマッチしていると思って選曲したのだと思うのですが、結局彼女はCHASEっぽいアレンジ施したビッグバンドをバックバンドとして自分のヴォーカルを聴かせているわけです。
小生はCHASEはトランペットが主役でヴォーカルは脇役なんじゃないかと思うんですな。いや、主役・脇役という言い方はちょっと違うかもしれません。全てが渾然一体となって突進していく・・・・・。9人のバンドメンバー全員で一塊となって存在しているように感じるんです。
ですから、和田アキ子さんがバックバンドをしたがえて気持ち良く歌っていても、「それはCHASEの目指したものとは全く違う・・・・。」という感覚になるのかもしれません。
カバーを歌うということは、ヘタをすると原曲を冒涜しかねません。
本当に難しいものですなあ・・・・。
最後に話が横道に逸れてしまいましたが、ブラスロック編はこれにて終結。
次は何が飛び出てきますか 乞うご期待。
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