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2009.02.13
小泉純一郎のたいせつなもの
2月13日。金曜日。風が強くここ北国では深夜近くになって雨嵐になっています。年間で一番寒いこの時期に雨嵐・・・・。しかし明日の夜には気温がグンと下がって猛吹雪になるようです。どうしよう・・・。また家篭もりですな。
最近はすっかりハマってしまったシモンズの曲をたくさん聴いて、いい気持ちになっていたのですが、昨日の夜、小泉元首相が麻生首相の批判をして、あちこちで大騒ぎのようでありますな。しかしこの時期にこのタイミングで公の場で現職首相の批判をするとは、ちょっと問題ありと思ったものですから、この問題について思うところを少しばかり・・・・。
なぜこのタイミングだったのか? それはあの「郵政民営化」がいろいろな問題を抱えていることが世間に明るみになってきて、見直しの動きが出始めてきたからに他ならないと思うんです。その問題とは例の「かんぽの宿」の事業一括売却の問題。これまでにあまりに低廉な価格で売却がなされ、中間不動産業者が巨額な利益をあげていたことが明るみになり、それによって今行なわれようとしていたオリックス不動産宛の一括売却にに疑義が生じた・・・・。
オリックス・グループのトップは宮内義彦氏であり、小泉内閣が主催した規制改革会議の議長を務め郵政民営化の議論もそこでなされた・・・という経緯があるわけです。竹中平蔵はかつてテレビ番組で「オリックスの宮内氏はあくまで規制改革会議のメンバーであって、郵政民営化は経済財政諮問会議の答申に基づいている。これを混同しているような人に批判してもらいたくない。」と言っていましたが、実は総合規制改革会議でも郵政民営化も審議されていたものの、後に答申は経済財政諮問会議に一元化されることとなり、規制改革会議の意向は議長の宮内がまとめて経済財政諮問会議に伝えられているのです。したがって全くの無関係とは到底言えないのであって、竹中平蔵の反論も事実関係を正しく踏まえたものではなく、相手の無知につけ込んだタチの悪いものだと言えます。
まあ竹中平蔵についてはもうこのくらいにして、話を元に戻します。このオリックス・グループの宮内義彦なる人物は、徹底した市場原理主義の信奉者(いわゆる日本におけるネオ・コン)であって、2002年の製造業における労働者派遣事業解禁を答申したのも彼であります。政界と強力なコネクションを持ち規制改革関連の審議会の長を10年以上歴任しています。要は彼は小泉構造改革の財界の強力な支援者であって、その彼の率いるオリックス・グループに「かんぽの宿」70施設が極めて低い価格で売却されそうになっていたわけです。
世間の注目が集まり、鳩山総務大臣の頑固さもあって、この入札経緯を調べていったところ、一般競争入札と言われていたものがどうもそうではなく、日本郵政とオリックスの間の出来レースの様相が明らかになってきました。この点ひとつをとってみても、「郵政民営化」の目的とは一体何だったのか?結局は国有財産を一部財界に払い下げ、その企業を儲けさせるだけなのではないのか?という不信感を国民が持ち始めた・・・・。「小泉元首相のやったことは結局こういうことだったんだ・・・・。」というムードが蔓延し始めた。そこにもってきて麻生首相の「私は郵政民営化には反対だった。」加えて「元首相は奇人・変人・・・・」という発言。これを受ける形で、今まで沈黙してきた小泉元首相が口を開き、強烈な麻生批判を行なったわけであります。
その発言内容と相照らして見えてくることは、「小泉という人物は、自分の体面こそが何よりも大切なのだ。」ということ。自分が行なってきたセーフティネット無き弱者切捨て・自己責任型社会への大転換(これこそオリックス宮内氏の信条)によって、多くの国民が苦境に追い込まれ、多数の自殺者を生み出してきていたにもかかわらず、その段階では救済策を講ずることもなくさっさと職を投げ出し、以降何一つ発言をせず事実上隠居していたにもかかわらず、自分の個人的な政治課題である「郵政民営化」がヤバくなると見るや、黙っておられなくなったのではないかと想像します。
こういった経緯からも、小泉という人物にとって何よりも大切なのは、国民の生命や生活ではなく、自分の面子であり、自分の個人的で極めて限定的な関心事(野望)であるということを国民はしっかり肝に銘ずる必要があると思います。(これは今の麻生首相も同じことですが・・・・。)
自分では利口で経済通で人気者だと思い込んでいる愚者の麻生首相が何らまともな経済政策を打てず、日本社会に急速に閉塞感が高まっているため、またぞろここで小泉待望のムードが出てくることが小生は一番恐ろしいと思っています。麻生首相に対して小泉元首相は「郵政バカ一代」「バカの一徹」ですから、その点に関しては発言も思いもブレることがないですから、一見確かに一本芯が通っていて信頼できそうな雰囲気を持っています。例えていうなれば、小泉元首相は織田信長的であり、麻生首相は明智光秀的なイメージを小生はもっています。激動の時代・閉塞感の強い時代には織田信長のような革命家・デストロイヤーが支持を得るものです。
もう一点注意すべき点があります。それは歴代の首相の中でも小泉元首相は圧倒的に喋りがうまい。つぶやくように話すかと思えば、声を張り上げ絶叫もする。にこやかな姿を見せたかと思うと怒りの形相を露にする・・・・。そのギャップが実に人間味があって魅力的に見えます。また話をするときの例えの使い方やジョークなども実にうまく聞く者を飽きさせません。しかしそれは彼の天性の才能であります。ニコニコ笑っている一方でその腹は冷え切っています。表面的なことに惑わされてはなりません。彼は一級品の人たらしでなのですから、こちらも覚悟して向き合う必要があります。
小泉元首相がかつて国会で最も激昂した場面は、長男の孝太郎氏が芸能界入りしたことに対して、野党議員から「親の七光り・・・云々」という指摘を受けたときだったと小生鮮明に記憶しております。ことほど左様に、小泉という人物は国家国民のことよりも極めて個人的な事柄に重きを置いています。今回の麻生首相批判で何が起こるのか?本人はそのつもりはなくても、おそらく「麻生おろし」が起こるのは間違いありません。下手をすれば2次補正予算が参議院で否決され、衆議院で3分の2条項を用いて再議決した際、造反者が出て法案が否決されるかもしれません。小泉元首相はそれを示唆してもいます。そうなれば決定的な政治空白を生じます。
麻生首相が解散に踏み切るか?それならばまだましですが、またぞろ首相交代となれば、自民党の総裁選→首班指名→内閣組閣と肝心の経済対策は宙に浮いたままたな晒しにされます。100年に1度と言われるような経済危機に直面し、国民が窮地に追い込まれているこの時期に、経済対策法案をたな晒しにする可能性が極めて強い状況を生み出すことなど意に介することも無く、小泉元首相はあの麻生批判をしたのであります。しかも一度は衆議院で法案に賛成しておきながら、今度は「あのとき本心は反対だったのに、賛成に回ったというのはどうかなあ・・・・」。郵政民営化の見直し論が噴出する以前の採決では賛成し、郵政民営化の見直し論が出てきたら今度は反対・・・・・。何でしょうね。
これをみても彼にとっては国家国民などは眼中に無く、自分の面子を守ることこそが最大の目的だということが透けて見えてきます。今という時代は小泉構造改革の負の部分を手直しする時代です。もう時代は大きく変化しました。アメリカでもネオ・コンが政権中枢から駆逐され、社会民主的な風潮が高まっています。にもかかわらず、アメリカのレーガン、イギリスのサッチャーが行なった新自由主義的政策を10年前に3周遅れで踏襲し、更にこの期に及んでその旧態依然とした新自由的政策方針を貫かなければ政権を打倒するぞ・・・・と脅すような行為は、明らかに時代が見えていません。もうあなたはお呼びじゃないんです。
しかしあの人たらしに日本国民がまた欺されるようなことになったら・・・・。この国は本当にお先真っ暗です。それを真面目に心配しなくちゃならないのが情けないというのがオヤジの本音ではありますが・・・・。振り込め詐欺と同じです。良く見えるところに紙に書いて貼っておきましょう。「小泉純一郎には欺されるな」と。
最近はすっかりハマってしまったシモンズの曲をたくさん聴いて、いい気持ちになっていたのですが、昨日の夜、小泉元首相が麻生首相の批判をして、あちこちで大騒ぎのようでありますな。しかしこの時期にこのタイミングで公の場で現職首相の批判をするとは、ちょっと問題ありと思ったものですから、この問題について思うところを少しばかり・・・・。
なぜこのタイミングだったのか? それはあの「郵政民営化」がいろいろな問題を抱えていることが世間に明るみになってきて、見直しの動きが出始めてきたからに他ならないと思うんです。その問題とは例の「かんぽの宿」の事業一括売却の問題。これまでにあまりに低廉な価格で売却がなされ、中間不動産業者が巨額な利益をあげていたことが明るみになり、それによって今行なわれようとしていたオリックス不動産宛の一括売却にに疑義が生じた・・・・。
オリックス・グループのトップは宮内義彦氏であり、小泉内閣が主催した規制改革会議の議長を務め郵政民営化の議論もそこでなされた・・・という経緯があるわけです。竹中平蔵はかつてテレビ番組で「オリックスの宮内氏はあくまで規制改革会議のメンバーであって、郵政民営化は経済財政諮問会議の答申に基づいている。これを混同しているような人に批判してもらいたくない。」と言っていましたが、実は総合規制改革会議でも郵政民営化も審議されていたものの、後に答申は経済財政諮問会議に一元化されることとなり、規制改革会議の意向は議長の宮内がまとめて経済財政諮問会議に伝えられているのです。したがって全くの無関係とは到底言えないのであって、竹中平蔵の反論も事実関係を正しく踏まえたものではなく、相手の無知につけ込んだタチの悪いものだと言えます。
まあ竹中平蔵についてはもうこのくらいにして、話を元に戻します。このオリックス・グループの宮内義彦なる人物は、徹底した市場原理主義の信奉者(いわゆる日本におけるネオ・コン)であって、2002年の製造業における労働者派遣事業解禁を答申したのも彼であります。政界と強力なコネクションを持ち規制改革関連の審議会の長を10年以上歴任しています。要は彼は小泉構造改革の財界の強力な支援者であって、その彼の率いるオリックス・グループに「かんぽの宿」70施設が極めて低い価格で売却されそうになっていたわけです。
世間の注目が集まり、鳩山総務大臣の頑固さもあって、この入札経緯を調べていったところ、一般競争入札と言われていたものがどうもそうではなく、日本郵政とオリックスの間の出来レースの様相が明らかになってきました。この点ひとつをとってみても、「郵政民営化」の目的とは一体何だったのか?結局は国有財産を一部財界に払い下げ、その企業を儲けさせるだけなのではないのか?という不信感を国民が持ち始めた・・・・。「小泉元首相のやったことは結局こういうことだったんだ・・・・。」というムードが蔓延し始めた。そこにもってきて麻生首相の「私は郵政民営化には反対だった。」加えて「元首相は奇人・変人・・・・」という発言。これを受ける形で、今まで沈黙してきた小泉元首相が口を開き、強烈な麻生批判を行なったわけであります。
その発言内容と相照らして見えてくることは、「小泉という人物は、自分の体面こそが何よりも大切なのだ。」ということ。自分が行なってきたセーフティネット無き弱者切捨て・自己責任型社会への大転換(これこそオリックス宮内氏の信条)によって、多くの国民が苦境に追い込まれ、多数の自殺者を生み出してきていたにもかかわらず、その段階では救済策を講ずることもなくさっさと職を投げ出し、以降何一つ発言をせず事実上隠居していたにもかかわらず、自分の個人的な政治課題である「郵政民営化」がヤバくなると見るや、黙っておられなくなったのではないかと想像します。
こういった経緯からも、小泉という人物にとって何よりも大切なのは、国民の生命や生活ではなく、自分の面子であり、自分の個人的で極めて限定的な関心事(野望)であるということを国民はしっかり肝に銘ずる必要があると思います。(これは今の麻生首相も同じことですが・・・・。)
自分では利口で経済通で人気者だと思い込んでいる愚者の麻生首相が何らまともな経済政策を打てず、日本社会に急速に閉塞感が高まっているため、またぞろここで小泉待望のムードが出てくることが小生は一番恐ろしいと思っています。麻生首相に対して小泉元首相は「郵政バカ一代」「バカの一徹」ですから、その点に関しては発言も思いもブレることがないですから、一見確かに一本芯が通っていて信頼できそうな雰囲気を持っています。例えていうなれば、小泉元首相は織田信長的であり、麻生首相は明智光秀的なイメージを小生はもっています。激動の時代・閉塞感の強い時代には織田信長のような革命家・デストロイヤーが支持を得るものです。
もう一点注意すべき点があります。それは歴代の首相の中でも小泉元首相は圧倒的に喋りがうまい。つぶやくように話すかと思えば、声を張り上げ絶叫もする。にこやかな姿を見せたかと思うと怒りの形相を露にする・・・・。そのギャップが実に人間味があって魅力的に見えます。また話をするときの例えの使い方やジョークなども実にうまく聞く者を飽きさせません。しかしそれは彼の天性の才能であります。ニコニコ笑っている一方でその腹は冷え切っています。表面的なことに惑わされてはなりません。彼は一級品の人たらしでなのですから、こちらも覚悟して向き合う必要があります。
小泉元首相がかつて国会で最も激昂した場面は、長男の孝太郎氏が芸能界入りしたことに対して、野党議員から「親の七光り・・・云々」という指摘を受けたときだったと小生鮮明に記憶しております。ことほど左様に、小泉という人物は国家国民のことよりも極めて個人的な事柄に重きを置いています。今回の麻生首相批判で何が起こるのか?本人はそのつもりはなくても、おそらく「麻生おろし」が起こるのは間違いありません。下手をすれば2次補正予算が参議院で否決され、衆議院で3分の2条項を用いて再議決した際、造反者が出て法案が否決されるかもしれません。小泉元首相はそれを示唆してもいます。そうなれば決定的な政治空白を生じます。
麻生首相が解散に踏み切るか?それならばまだましですが、またぞろ首相交代となれば、自民党の総裁選→首班指名→内閣組閣と肝心の経済対策は宙に浮いたままたな晒しにされます。100年に1度と言われるような経済危機に直面し、国民が窮地に追い込まれているこの時期に、経済対策法案をたな晒しにする可能性が極めて強い状況を生み出すことなど意に介することも無く、小泉元首相はあの麻生批判をしたのであります。しかも一度は衆議院で法案に賛成しておきながら、今度は「あのとき本心は反対だったのに、賛成に回ったというのはどうかなあ・・・・」。郵政民営化の見直し論が噴出する以前の採決では賛成し、郵政民営化の見直し論が出てきたら今度は反対・・・・・。何でしょうね。
これをみても彼にとっては国家国民などは眼中に無く、自分の面子を守ることこそが最大の目的だということが透けて見えてきます。今という時代は小泉構造改革の負の部分を手直しする時代です。もう時代は大きく変化しました。アメリカでもネオ・コンが政権中枢から駆逐され、社会民主的な風潮が高まっています。にもかかわらず、アメリカのレーガン、イギリスのサッチャーが行なった新自由主義的政策を10年前に3周遅れで踏襲し、更にこの期に及んでその旧態依然とした新自由的政策方針を貫かなければ政権を打倒するぞ・・・・と脅すような行為は、明らかに時代が見えていません。もうあなたはお呼びじゃないんです。
しかしあの人たらしに日本国民がまた欺されるようなことになったら・・・・。この国は本当にお先真っ暗です。それを真面目に心配しなくちゃならないのが情けないというのがオヤジの本音ではありますが・・・・。振り込め詐欺と同じです。良く見えるところに紙に書いて貼っておきましょう。「小泉純一郎には欺されるな」と。
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