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1月2日。今日もいいお天気で気温も高く、本当に穏やかなお正月となりました。

新年早々あまり鬱陶しい話題はどうかとも思ったのですが、あまりに腹の虫が治まらないので、やっぱりお話させていただくことにしました。

元旦は夜になってウイーン・フィルのニュー・イヤー・コンサートを見た後、NHKの「激論2009?」なる討論番組があったので見てしまいました。かの竹中平蔵・慶応大学教授や経済財政諮問会議の民間議員を務めた八代尚宏・国際基督教大教授など小泉構造改革を主導したメンバーが出ていたので、どんな話をするのだろうと、ちょっと興味があったので見てしまったのですが、これがまずかった。

首を切られた派遣社員らを救おうと、大晦日に日比谷公園に救援村が設置されたところ、250人もの人々が溢れ、もう収容能力を超えてしまった。しかも今後も人はどんどん増加する勢いだ・・・・という悲惨なニュースもあったので、このような事態をもたらした政策当事者がどのような言葉を発するものなのか?と思ったのですが、結果は唖然とするものでした。

竹中平蔵氏の発言をざっくり要約すると次のようなものでした。

1.現在の派遣切りに見られる労働市場の問題をもたらした犯人探しをしても何の意味も無い。これからどうするかを現実的視点に立って議論することにしか意味は無い。

2.製造業に派遣を解禁したのは、当時失業率が6%近くまで上昇し、これを何とか解消する必要があった。とにかく仕事を失った人々に仕事を与えることが急務であり、現実にこれを解消したのだから構造改革は充分な成果をあげている。

3.規制緩和が今回の労働市場の問題をもたらしたというのは間違い。規制緩和のおかげで携帯電話がこれだけ普及したことを見ても、規制緩和がいかに正しいことかは明らかである。

4.日本が成長していくためには、大企業を中心とするリーディング・カンパニーに頑張ってもらうしかない。そのためには国際競争力を確保するために政治としてバックアップが必要である。今後も企業が日本からの脱出を防止するためにも法人税率を下げる必要がある。

5.現在の派遣労働者の首切りが横行する状況や、ワーキング・プアが発生しているのは、構造改革が不十分なためで、構造改革をもっと進めることで問題は解決する。構造改革路線を邁進しなかった安倍政権・福田政権の責任は重い。同一労働・同一賃金という原則は必要で、その方向で改革を進めようとしたが、これに抵抗したのは経営側・労働組合側双方であって、ここに一番の責任がある。

すごいですよね。竹中平蔵教授も八代尚宏教授も、「自らが推進した規制緩和・構造改革について何ら間違いは犯していない。」と言い切ったのです。そして現在起こっている非正規労働者の首切りや医療・福祉の崩壊等の社会問題に関して「自分たちには何の責任も無く、やるべき改革を行いその成果をしっかりとあげてきた。今の社会の問題は小泉政権後の内閣が改革を推進できなかったことがその原因だ。」と完全に居直りました。いやはやなんとも・・・・。

何と言ってもその口のうまいことうまいこと・・・・。詐欺師とはまさにこういう技術を持っているんだろうなあと改めて思い知らされました。

まず最初に、「現在の社会問題をもたらした犯人探しをしても何の意味も無い。」と言い切って、自分が吊るし上げられそうな状況に至ることを回避するんですな。そして自分のやった良いところだけを強調し、悪い部分には全く触れない・・・・。そしてこのような社会不安が蔓延するような社会を作ったのは、自らが推進した行き過ぎた規制緩和(構造改革)によるものだとは絶対に認めない・・・・。

しかし、どの発言をとっても、巧妙に問題をすり替えて本質からずらしているんですな。これが以前にもお話したこともある国民を騙し続けるテクニックなんだろうなと思いました。

われわれ一般国民は、彼ら(政治家やマスコミ)の話はまずほとんどが嘘だと思って聞くことが肝要です。そうすれば彼らの話の矛盾点やおかしいところが浮かび上がってきます。

製造業に派遣を解禁したのは、何と言っても財界からの要請があったからです。確かにバブル後企業業績は低迷し大量の失業者が溢れました。一方で財界(大企業)は早急な業績回復を目論み、経営にフレキシビリティをもたらす、中国並みに安くて都合のいい労働力を利用することで国際競争力を高めようという意図を持っていました。そこで失業者を救うという表向きの大義名分のもと、製造業への派遣労働を解禁したわけです。しかしこれはワーキング・プアを恒常的に認めるものであり、不況時に安易な労働力の調整を可能にしただけのことです。

本来なら、製造業への派遣労働を解禁を認めるならば、まずは常用的な低賃金雇用はを認めない、正社員と同様に医療保険・雇用保険・年金等の社会保障部分の企業負担を義務付けるなどのセーフティ・ネットを同時に実施するのが政治の責任です。しかしこのセーフティ・ネットの構築は後回しにして、安い派遣労働を解禁してしまったがゆえに、ワーキング・プア層が大量に発生し、格差社会といわれる歪んだ社会が出現したわけです。このように考えれば、竹中発言の2番目は自分の手柄を語り、手抜き部分を一切隠している発言です。

例えて言うならば、防護設備を備えていない地雷除去用の機械が完成した。これで地雷除去作業が飛躍的に進む・・・・と言って作業を始めます。当初は運良く地雷に当たらず前進出来たのですが、あるとき地雷原に入った途端、地雷が次々に爆破し、機械は大破、運転者は次々に死んでいった・・・・・。こんな事態が起こったとき、防護設備を備えていない機械で地雷除去作業を始めさせた命令権者に非が無いと言えるでしょうか? 誰が考えたってそれは無謀な策であり、命令権者の責任は重大です。

セーフティ・ネットの構築を後回しにして、安い派遣労働を解禁したことは、この例に相当するような無謀な政策だったわけであって、その責任は重大なものがあるのは明らかですよね。

それと竹中発言の3番目は、「規制緩和で良いことがあったでしょう。だから派遣の規制緩和も悪いものでは無いんです。」などというのは、全くもって意味の無い発言です。規制緩和が全て悪いのではなく、ものによっては規制緩和が適切ではないものも沢山あるということです。この発言はそのあたりをゴッチャゴッチャにしてしまうような実に小ズルイ発言です。

4番目の発言は、ある意味国民に対する脅しであって、全くの詭弁です。税金や人件費が高ければ本当に日本の大企業を中心とするリーディング・カンパニーは日本から逃げ出すでしょうか? 小生は答えは「No」だと思います。金融関係の企業なら、例えば村上ファンドが本社をシンガポールに移したように、より税金の安い国へと逃げ出すでしょう。金融業に必要なのは元手となる大量のカネと、それを運用する一部の人材だけですから、重い税金を嫌うのはわかります。

しかしモノ造りを中心とする企業が海外に逃げ出すことは考えにくいのではないでしょうか・・・・。それはこれらの企業の必要とする資源は、カネであり設備でありヒト(技術・能力)であって、その中でも最も重要なのはヒト(技術・能力)です。ですからこのヒト(技術・能力)が海外について行かなければ、企業は海外へ逃げ出したくても事実上できないのではないかと思います。どうでしょうか?

最後の5番目の竹中発言は本当にヒドイものです。もし後継政権がそれをしない惧れがあったのなら、なぜ小泉首相は辞任したのか? ちゃんと留任してやるべきことを果たしてから辞めるのが筋なんじゃありませんかね? それを当面どうでもいいような郵政民営化の筋道がついたと言って、セーフティ・ネットの構築という不可欠な施策を放り出して辞めておいて、セーフティ・ネットが無いがゆえに発生している今の凄まじい解雇の嵐を後継政権や財界・労働組合の責任だと言ってのける厚顔無恥ぶり・・・・。

ここでひとつひとつ採り上げて検証してみましたが、それでもみんな騙されるんですな。番組の中でも小泉改革に反対の立場の論客もいましたが、竹中氏の口がうまいので知らず知らずのうちに煙に巻かれ別の論点に摩り替えられて、他の出席者もなかなか的確に突っ込むこともできない・・・・。NHKのお正月の生番組ということで、お行儀良く振舞うようNHK側から要請があったんだろうなという印象も持ちました。司会者も最初から竹中氏を吊るし上げる状況にならないようにと気を配っていた感じもありました。と言う次第で、通り一遍の意見を各自から聞いて適当に話をまとめるといった番組で、激論などというタイトルからは程遠いものでした。

しかしそれにつけても最悪なのは、竹中平蔵にしても八代尚宏にしても、自分たちの行なったことが発端となって、現在多くの国民を苦しめているという自覚が全く無いんですな。だから反省も全くありません。更に言うなら、口には出しませんが、心の底には「国家の経済力を建て直すのが自分達の仕事であって、そのために多少の国民が犠牲になっても致仕方ない・・・・」というニュアンス、人間性の面での冷徹さ冷血さがはっきりと感じ取れたことです。

かの竹中平蔵・・・・・。とっつあん坊やみたいな顔をしているので、ついつい「悪人じゃないだろう・・・・」と周りが勝手に誤解しているきらいもあるのかなと思います。それとディベート力。社会正義などというものは全く背景に無く、ただtだひたすら自分の目的・利益を達成するために弁舌巧みに議論を誘導していく力は実にたいしたものです。国民もこうやってずっとはぐらかされ、騙されてきたんだなあ・・・・と改めて思いました。

こんな人間が日本という国の舵取りをしていたのかと思うとゾットします。

少なくともその責任を潔く認めて謝罪すべきは謝罪した上で、今後どのような対応を取ったらよいのかを提言するのならまだ許せるところもありますが、「自らは全く責任が無い。」と居直り、逆に国民に向かって説教を垂れる姿は何とも傲慢不遜で、こういう人間を恥知らずと言うのだろうなあ・・・・と思いました。
これが昔のサムライ時代なら間違いなく切腹モノですな。

正月早々嫌なものを見てしまったと後悔した次第であります。

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