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ちょっと重苦しい話題が続いたので、このあたりで心が晴れるような音楽をひとつ。

その第一弾としてご紹介したいと思うのが、これ
1970 Mungo Jerry 「In the Summertime」
MungoJerry01.jpg

はてさてこのマンゴ・ジェリー、小生はこの1曲しか知らないのですが、中学時代に初めて聴いたときの印象は「何じゃ これ?」
でも、それは底抜けの明るさが溢れていて、何ともいえない快さにいつしか包まれていました。

日本の「ええじゃないか」踊りみたいに、「まあいろいろあるけどハッピーに行こうぜ!」的なノリで全てを包み込んでしまうような大らかさがたまらない魅力の曲です。

極めて単純なリズムパターンと、これまたあまり変化の無いメロディが延々と繰り返されると、念仏声明の世界にはいったかのように、この音楽世界にドップリ取り込まれてしまうかのような気分になります。(全然悪い気分ではないんですよ。)

このレコードを買うことも無かったし、その後あまり聴く機会もありませんでしたが、この曲の印象は鮮明に記憶に焼き付けられました。

ちょっと息抜きにこのダラーッとした曲を聴いてリラーックスしてみてはいかがでしょうか?

1970 Mungo Jerry 「In the Summertime」


もう別世界に連れて行かれちゃったでしょ?

こんなお気楽な音楽をやるのは、何たってアメリカ人だろうと思っていたら、ドッコイこれまたイギリスのバンドだったんです。

彼らのような音楽スタイルは<スキッフル>というものらしです。

ちょっと調べてみたのですが、このスキッフルというのは、実は音楽のスタイルというよりバンドの構成スタイルからきた名前のようで、生ギター、手作りベース、ハーモニカ、ウォッシュボード、カズーなど、誰でも入手できる楽器からなるジャグバンドのスタイルで、これらの楽器を用いてアメリカ産のフォークやブルースを演奏する音楽がスキッフルと呼ばれていたようです。

でも手作りベースって・・・・・。何とこのイングランドの手作りベースとは、紅茶の箱に棒を突き刺し、それに弦を一本だけ張ったものが主流だったそうです。驚く

このように見てくると、立派な楽器を買えない庶民が、鍋・釜・盥を楽器に見立てたり、驚くべきベースを手作りしたりして何とか音楽を楽しもうとしている、原始的というか本能的というか、音楽が好きで好きでたまらない・・・・という感じがダイレクトに伝わってきますよね。

Mungo Jerry こそまさしくこの<スキッフル>の伝統をしっかり受け継いだグループなのかなという感じがします。

さて、この「IN THE SUMMER TIME」の歌詞を訳すとこんな感じだそうです。

2008.11.1追記

最初に紹介した訳詩はあまりにも原詩とかけ離れているのがわかりました。それで自分なりにちょっと訳を考えてみたら、こんな感じかな・・・・と。

チッチ チッ ウッ  チッチ チッ ウッ
チッチ チッ ウッ  チッチ チッ ウッ

イエイ夏だぜ お天道様はカンカン照り。
思いっきり手を伸ばせば、空に届きそうだぜ。
あんまりお天気がいいから
お前さんにも彼女ができたぜ。 心の中にな^^
一杯飲んで ドライブして
何が見つかるか探しに行こうぜ。


彼女のオヤジがリッチなら、彼女を食事に誘いな。
彼女のオヤジが貧乏なら、お前さんのやりたい放題。
ガンガンスピードを出せよ。
時速100マイル、いや125マイルだ。
日が沈んだら うまくやれるさ。
待避所でヨロシクな^^。

俺たちゃアブナイ奴じゃねえ。
汚くもないし、意地悪でもねえ。
みんなのことが大好きさ。
でも俺たちゃ好きにやらせてもらうぜ。
お天気が良けりゃ海に釣りにもいくし、泳ぎにも行くさ。
俺たちゃいつでもハッピーさ。
人生はなるようになる。イエイ。それが俺たちの哲学さ。

一緒に歌おうぜ。ディディディディーディ。
ダダダダーダー イエイ。
俺たちゃメチャハッピーだぜ。
ダダダダーダー


チッチ チッ ウッ  チッチ チッ ウッ
チッチ チッ ウッ  チッチ チッ ウッ

冬がやってきたら、イエイ、パーティタイムさ。
酒瓶を持ってきな。
お前さんのキラキラ衣装を着れば
ほらもう夏じゃんよ。
ほんじゃもう一度唄うべさ。
彼女がリッチでいい女なら、ドライブに行くかな。
ひょっとしたら落ち着いちゃってるかも。
友達を連れて来いよ。ほんで皆で街へ繰り出そうぜ。



やっぱりいいかげんなルーズな歌詞でした(笑)
そうでなくちゃ、マンゴ・ジェリー面白くない・・・・・^^。

それにしても、リーダーでヴォーカルの Ray Dorset のアフロヘアとあの長ーーいモミアゲはスゴすぎます。

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2008.10.31 一部加筆訂正しました。

<本文>

いよいよアメリカ大統領選挙が迫ってきました。

どちらの候補が勝つにせよ、これからの4年間は「茨の道」であることは間違いなさそうです。

泥沼化したイラク戦争にどう始末をつけるのか? アフガンに兵を送るのか?
そして何よりも先ず金融恐慌からの大不況にどう対処するのか?

どちらの候補も政策がどうこう、アメリカという国のビジョンどうこうでは無く、ひたすら自分の名前を有権者に刷り込むことに大忙しと言う感じで、残念ながらこの有事を引き受けて立つ力量があるようには小生には感じられません。

オバマ候補は確かに演説はうまい。でも演説のうまい人間が必ず高潔な人格を備えているか?と問えば答えは「否」。

かつてのアドルフ・ヒトラーも演説の名手でした。わが国の小泉純一郎も名人クラスの話術の持ち主でした。しかしながら彼らが行なってきたことを振り返ってみると、ヒトラーは歴史上に残る大虐殺を行い、小泉はかつての日本という良き社会をぶっ壊した・・・・・。

以前にも書いたかもしれませんが、「口のうまい奴は要注意」です。彼らは言葉巧みに我々を催眠術にかけてしまいます。孔子先生がおっしゃっているとおりです。「巧言令色スクナシ仁」・・・・と。

少し話は変わってしまいますが、小生にとっての古き良きアメリカのイメージは、まさに「ジョン・ウェイン」。多少ヤンチャで礼節に欠けるところはあるかもしれないが、正直で裏表が無く、気は優しくて力持ちの底抜けに陽気なタフガイ。

第二次大戦でこのアメリカに負けた日本が、憎っくきアメリカに惹きつけられたのは、まさにこの理想主義的な正義漢としての姿があったからではないかと思うとります。

そんな偉大なアメリカはどうしちゃったんでしょう・・・・。今のアメリカは権謀術数がはびこり、自分の金儲けのためには他の多くの人間がどれほど苦しもうと知ったこっちゃ無い・・・・。

小生はこの古き良きアメリカを堕落させたもののひとつに、資本崇拝(カネこそ全てという価値観)が、そしてもうひとつにマスメディアの無節操な強大化とディベート(討論, 論争)重視の風潮があるんじゃなかろうかと思うとります。

ディベートは「討論, 論争」などと訳されますが、その実態は議論の相手を打ち負かすことをその目的としているというのが大いなる間違いのはじまりです。

議論するということは、異なる意見を持ち寄り交換することで物事の本質や真実に迫ることや、問題に対して最も適切な対処方法を見つけ出したりするために行なわれるものであったはずです。それがこのディベート(討論, 論争)なるものが徐々に侵食してきて、議論の本質はどこかに追いやられ、今や議論相手をやりこめるための弁論技術として認識されるようになっています。

アメリカの大学や大学院などではこのディベートに関する授業が行なわれています。自分の意見を正々堂々と発表することができるようにするという教育は正しいものだと思いますが、それが行き過ぎて、今や議論で相手を制圧する技術としてそれを教える・・・・・。これはいかがなものかと思います。

こうした教育を受けて多くの弁護士などが登場します。裁判では真実の追究・解明などは二の次となり、警察や検察の些細なミスを徹底的に追求して訴追自体を無効にもっていくような弁護活動が花盛り・・・・。そして容疑者被告から莫大な報酬を得る・・・・。

かつてのフットボールの名選手であり俳優でもあったO・J・シンプソンが妻を殺害した事件(O・J・シンプソン事件)なども、結局真相解明とはまったく別の黒人差別問題に話がすりかえられて、限りなく黒に近い状況であったにもかかわらず結局は無罪判決となったケースにその一端が垣間見えます。
(このとき弁護士が受け取った報酬は5億円といわれています。:Wekipediaより)

横道にそれてしまいました。話を元に戻しますね。


オバマ氏は多少はましな人間かと思っていましたが、今回のゴールデンタイムのテレビジャックという手法をみると、口では「Channge」と唱えていながら、やっていることは旧態依然、というよりそれに輪をかけた金権選挙を展開しています。この事実ひとつとっても「オバマのChanngeはどこか嘘くさいぞ・・・・。彼が大統領になってもアメリカは何にも変わらない。政治的リーダーもマスコミも結局はマネーに支配されたままか・・・・・。」という失望にも似た気分になりました。

結局オバマ氏もこのディベート技術を磨きに磨いた弁護士あがりの政治家であるということなんです。いくら耳障りの良い言葉を並べられても、テレビ討論でマケイン氏を圧倒しても、それはただそれだけの浪費される言葉・・・・。本当の信念や気概はなかなか見えてきません。

やっぱり男子たるもの、「不器用ですから・・・・・」の高倉健のように、また「男は黙ってサッポロビール」の三船敏郎のように、言葉少なくともその生き様・背中で己の信念を語って欲しいものだと改めて思いました。

おっとまた話が逸れてしまいました。kao05

オバマ氏について言えば、アフリカ系アメリカ人として、有形無形の差別を乗り越えてアメリカンドリームの実現の最終形として、どうしても大統領になりたいんだ・・・・という気持ちは強く伝わってきます。が、大統領になって何をやりたいのかはほとんど伝わってきません。彼の「Change」というスローガンの向こうには一体どんな国づくり・世界秩序へのビジョンがあるのでしょうか・・・・・・。

自分が世界の覇王になるということが最終目標だとすれば、オバマは見せかけ口先だけで中味はカラッポ・・・・。もしそうだとすれば、この先かなり大変なことになりそうな予感がします。


一方のマケイン氏。今日見たニュースでは、ニューメキシコの軍の基地でフライト・ジャケットに身を包み、軍人マケインをアピールしていました。そして「戦おう、戦おう、祖国の名誉のために戦おう!」と聴衆を煽動していました。

マケイン氏も何がやりたいのか良くわかりません。戦うって何に対して戦うのか?このニュースではそれには触れていませんでしたが、戦争によってアメリカ経済を立て直そうという腹づもりなのかな・・・・と一瞬思いました。

その場その場の聴衆に対して受けのいい事を場当たり的に言っているだけなのでしょうか?それとも本気で今以上に戦争を拡大するつもりなのでしょうか?

ベトナム戦争で捕虜になり帰還した英雄だということですが、その発言や態度に人生の重みというか、経験に裏打ちされた年寄りの知恵みたいなものは感じられません。

こう見てくると、両候補とも平時の大統領候補ではないかという感じがします。


世界大恐慌か!というこの世界的な有事の時に大統領として強力なリーダーシップ(自国アメリカのみならず、世界という場で)をとっていくだけの人間力があるのだろうか? 小生なんぞはちょっと心もとない感じがしてしょうがありません。

どこか、全てにおいてタイミングがずれていて、いろいろな事が悪い方悪い方へと流されていっているような嫌な感じがします。

もし黒人候補のオバマ氏が蓋を開けてみたら結局は人種的要因で敗れ、年寄りのマケイン氏が大統領になったものの病に倒れ、ミスコン出身のペイリン副大統領がこの世界的有事におけるアメリカのリーダーになったら・・・・・・・・・・。考えただけでも末恐ろしくなります。<いろいろな事が悪い方悪い方へと流されていっているような嫌な感じ>とは例えて言えばこのようなことです。


これは日本でも同じです。麻生総理は巷間伝えられていたほど経済に詳しくないという感じがしています。にもかかわらず、自分でも周りでも「経済の麻生」みたいな空気の中で、経済対策なるものを打ち出していますが、どこかピントはずれで、なおかつ優先順位のつけ方にも疑問符がつくし、何と言ってもスピード感がありません。

もう少しましな経済ブレーンがついてくれると良いのですが、プライドが高く、自分が経済通だと過信している麻生氏はブレーンの言うことなど聞かないのかもしれません。こういう状態が実は一番危険なのかなとも思います。

知ったかぶりは大やけどのもと・・・・。

無知の知を知ることこそ最も大切だとソクラテスは言っていますが、2500年経っても人間はちっとも進歩していないということなのかもしれませんね・・・・・。ウーームうーん

テレビを見ると、どのチャンネルでも「世界恐慌の再現か?」という危機感をもった報道番組が毎日のように流れていますね。

ただひとつ気になるのは、こういう番組も大事だとは思うものの、はっきりした損失金額等の事態を客観的に評価・判断するためのデータ(数字)が何もわからないままに、「何だか良く分からないけれども、この先大変なことが起きそうだ・・・・。」というような番組やニュース解説がひっきりなしに流されると、必要以上に危機感を煽り立てることになり、パニックを加速するだけのような気もします。

今一番大切なことは、どのくらい金融機関が傷んでいて、それを回復するためにはどの程度の資金が必要なのかという具体的な数字をいち早く公表して、底をしっかり見えるようにすることだと思うのですが、今の政府の動きを見ていると、緊急経済対策とは言っていてもどこか選挙がらみの人気取り政策が前面に出ている感じで、肝心の金融庁の動きが鈍いのが個人的にはものすごく引っ掛かっています。

さて、それはそれとしてまたもや音楽のお話・・・・・。いきます。

小生は小学生から中学生前半の時代は、グループサウンズ的な音楽を主として聴いていましたが、それでも洋楽のほうがはるかに好きでした。単にカッコイイ感じに惹かれていたのかも知れしれませんし、音楽的にも優れているように感じ取っていたのかもしれません。

それでも、やっぱり歌謡曲のバックグラウンドで育ったせいなのか、圧倒的にボーカルが主体の曲を好んで聴いていたような気がします。

前回ご紹介したChristieあたりまでは、間違いなくそんな感じでした。この他にも有名どころではエルトン・ジョンの「Your Song 僕の歌は君の歌」やサイモンとガーファンクルなんかもベストアルバムを買って聴いていました。

それが中学2年の頃になってからは、ボーカル主体というより楽曲全体、ひいてはインストゥルメンタル部分重視の曲が好きになっていきました。(というより70年代になって、まさにロックというサウンド重視の時代が来ていただけのことからかもしれません。)

そこで聴いた途端、「ワオ!」と驚いたのがこの曲 THE IDES OF MARCH の「VEHICLE」です。

正直 THE IDES OF MARCH というグループ名はなかなか覚えられませんでしたが、曲名の「VEHICLE:ビークル」はすぐ憶えました。

小生が初めて接したブラス・ロックがこの「VEHICLE」でした。

Vehicle01.jpg

THE IDES OF MARCH は1966年にイリノイ州で結成され、シカゴを中心に活動したグループでした。

このバンド名は古代ローマ暦で「3月15日」を指す表現で、皇帝ジュリアス・シーザーが暗殺された日付を表しています。バンドは、もともとションデルズと名乗っていたのですが、トミー・ジェームズ&ザ・ションデルズ(Tommy James & the Shondells)というバンドが有名になったため、混同を避けるために高校の歴史の教科書からこの名前をとったという経緯があるようです。

THE IDES OF MARCH というバンド自体は、この「VEHICLE」で大当たりしたいわば一発屋的バンドであったわけですが、中心メンバーだったジム・ピートリックは同バンドを解散後、78年にジム・ピートリック・バンドを結成、まもなくサヴァイヴァー(Survivor)に改名、アルバム『Survivor』(80年)でレコード・デビュー。82年映画「ロッキー3」に提供した「Eye of the Tiger」が全米1位を記録してブレイク、この曲で翌年ロック・グループ部門のグラミー賞を受賞しています。

お暇でしたら、どうぞ聴いてやってください。

THE IDES OF MARCH 「VEHICLE」


まさにアメリカン・ブラス・ロックです。ホーンセクションの迫力を前面に押し出して、迫力のあるボーカルがグイグイシャウトする・・・・・。

このスタイルは多かれ少なかれブラスロックのベーシックなスタイルになりました。どちらがいち早くこのようなスタイルを確立したのかはよく分かりませんが、ブラスロックの元祖?Blood Sweat & Tears、Chicago、Chase とベーシックなところは変わらない感じがします。

まあこうして一時期ブラスロックにグングンのめり込んでいったわけですが、後から思い返してみると、このブラスロックから(一時期ピンク・フロイドにハマッたけれども)、Jazzへの道がつながっていたような気がします。

でも、アメリカのオヤジさんたちはブラスロックが大好きですよね。Youtubeなんかを見ていると、かつてのブラバン同好の仲間たちが集まってこのようなブラスロックを演奏している動画が山ほど出てきます。やっぱりマーチングバンドが盛んなお国柄ゆえだからでしょうかね?ニコニコ。 横向き



株安が止まりませんね。それと同時に円高も止まりません。

小生は株安は博打場がパニックになっているということであって、基本的にはそんなに心配することではないと考えています。いわば本来の企業価値以上に水脹れした部分が剥げ落ちるだけ・・・・。

実際トヨタなどでは、1株あたりの純資産額よりも株価が下回ったケースがありますが、これは今トヨタが廃業し会社を解散した場合、市場でつけている値段(株価)よりも実際に株主に配分される額のほうが大きいということですから、いかに今の市場の状態が非常識的なものであるかがうかがい知れます。

株価は企業の将来を先取りして見込んだものだという説明も良く聞きますが、果たしてそれが正しい説明なのかどうか・・・・・。小生はちょっと鵜呑みにはできません。

とにもかくにも今の株式市場はパニック売り・必要に迫られたキャッシュ確保のための売り以外の何者でもないのではないかと思っています。この一時的・狂気的なパニックが収まれば、自然と本来あるべき株価水準に戻るものと思っています。


株価のほうはそれでいいのですが、円高のほうは深刻な問題だと捉えています。

というのは、株はいかに市場価格が変動しても、保有し続け売り買いをしなければ、株式に投資している投資家のキャッシュポジションに影響を与えるものでもないし、直ちに巨額の実損が発生して身動きが取れなくなるというものではないからです。

しかし円高のほうはちょっと様子が違います。

日本は加工貿易国ですから、原材料を輸入し、それに付加価値をつけて製品を輸出する。その差額で利益を得るというのが国の経済の基本的な骨組みです。

輸出代金は通常ドルで受け取ります。それを日本国内で使える資金にするためには、このドルを円に交換しなくてはなりません。つまり、株式市場と異なり、外国為替市場ではマネーゲームではなく、実際の財貨の取引によって発生する日常的な資金の交換が行なわれています。

要はマネーゲームとは無関係な、貿易資金のドル⇔円交換が行なわれている場だということです。もちろんこの外国為替市場にも投機マネーは入り込んでいます。

円高が輸出に大きく依存する日本に大きな不利益をもたらすということは誰もが指摘するところですが、この外国為替市場で円を買う(ドルを売る)者と、ドルを買う(円を売る)者とのバランスが大きく崩れているために円高が進んでいるのだとすれば、その要因がどこにあるのかをしっかり見つけ出さなければ有効な対策は立てられないのではないかと思うとります。

ドルを売り円を買う人が多すぎるのか?
ドルを買い円を売る人が少なすぎるのか?

日本の輸出企業に関しては、得たドルを円に換えるわけですから、ドル売り円買いということになりますよね。これは今までずーーっと続いてきたわけですから、今の市場の混乱要因ではありません。

また石油などを輸入する場合も、円をドルに換えて支払いをしますから、この場合はドル買い円売りということになりますが、これまた今までずーーっと続いてきたわけですから、上の場合と同様今の市場の混乱要因ではありません。

ならば、市場の混乱要因は何なのか? 株式市場と同様マネーゲームとしてこの市場を利用している一部の投機資金がせっせとドルを売り円を買っているせいなのか? それとも本来ドルに交換すべき円資金を交換せずに溜め込んでいるせいなのか? 投機資金ではなくて、国際的な金融機関相互の取引の影響なのか・・・・・? 

勉強不足の小生にはこのへんの実情が良く分かっていません。

ただこの円高に関連しているのか?していないのか?定かではありませんが、最近の日本の銀行の貸し渋り・貸しはがしはどうしてだろう?という疑問がぬぐいきれません。

日本の銀行はバブル崩壊後、資金の運用には慎重で、今回のサブプライムローン派生金融商品にはあまり手を出していなかったはずで、与謝野経済財政担当大臣も「その影響は蚊に刺された程度・・・・」と当初発言していました。

にもかかわらず、この激しい貸し渋り・貸しはがしは一体どういうことなのでしょう?

一つ考えられることは、資金運用先として株式投資のウエイトを高めていたのか?ということ。であれば、昨今の株価下落によって銀行の保有する株式の価値が下がります。時価会計の導入によってこれらは含み損失でありながら、財務諸表上は損失として表現されますから、結果的に資本が目減りします。

BIS(国際決済銀行)の定めにより、一定水準の自己資本比率を維持できなければ、国際銀行業務ができなくなるなどの制約が生じますから、資本が目減りすると、その分貸し出し等の資産運用部分を圧縮するという方向で銀行は対処します。そのために激しい貸し渋り・貸しはがしが行なわれていると考えるもの・・・・・。

これは小生の憶測ですが、どうも理由はそれだけではないような気がしています。

それは、日本の銀行はまたしてもかなりの不良債権を抱え込んでいるのではないか?という疑念です。

一つはここ数年首都圏を中心に起きていた不動産のミニバブルとその崩壊。この影響をかなり銀行は蒙っているのではないか?というもの。

そして、これが最も恐ろしいことなのですが、日本の銀行はサブプライムローン派生金融商品自体には直接資金投下はしていなかったものの、これら金融商品にドカッと投資していた海外のヘッジ・ファンドや金融機関等に大量の資金を貸し出していたのではないか?ということです。

ヘッジ・ファンドや海外証券会社等はレバレッジという手法で、儲けを拡大する方法を採用してきました。要は自己資金で100投資して50儲かるのなら、借金をして1000投資すれば儲けも10倍の500となる・・・・。こうして大量の借金をして投機を行なってきたわけですが、その貸し手が日本の銀行だったのではないのか・・・・・?という疑問です。

バブル後の不良債権処理の過程で日本は世界的に見ても稀なゼロ金利政策を採用しました。当然貸出金利も銀行側がかなりの利ざやを乗せても絶対水準としては世界最低水準だったわけです。と同時に日本国内では不況もあって貸出先も十分にはありませんでした。そこでヘッジ・ファンドが日本の資金に目をつけ、日本の銀行もおいしい貸出先としてヘッジ・ファンドが現れた・・・・。これで取引成立。

しかしアメリカの不動産バブル崩壊とともに発生した金融ショック。日本の銀行は慌ててヘッジ・ファンドに対して貸し金の返済を迫る・・・・。円建ての融資ですから返済も円建て。ヘッジファンドはドルを売り円を買って日本の銀行にせっせと返済・・・・・。

これが円高をもたらす市場の混乱(特殊)要因となっている・・・・・といことはないだろうか?
というのが小生の疑念です。

麻生政権はここに及んで、第二次経済対策として金融機関に公的資金を注入できる金融機能強化法の改正導入を打ち出してきています。

サブプライムローンの日本の銀行への影響は、つい数週間前までは「蚊に刺された程度・・・・」だったはずなのに、それが一気にまたぞろ公的資金注入という話になってきています。

小生の考えすぎであればいいのですが、どうにも情報の公開がないままどんどん話が先に進み、知らず知らずのうちにまたぞろ国民への付け回しが行なわれようとしてます。

まず、銀行の資産内容をキッチリ公開して欲しいです。
・株にどれくらい投資していて、どれくらい損が出ているのか?
・国内不動産関連でどれくらい損が出ているのか?
・海外のヘッジ・ファンドや証券会社等にどのくらい貸し付けを行っていて、どれくらい損が出ているのか?

それらの結果、自己資本がどの程度毀損しているのか?

それが明るみにならないままでの公的資金の再投入は全くもって認められるものではありません。
火事場泥棒のように市場の混乱に乗じて、よくわからないままに国民の税金を使うことは断じて許されません。

麻生政権はどこか小ズルイところがあるように感じるもので、ちょっと心配であります。


円高対策というのが、今一番気にすべきことだと思っているのですが、ここも発想の転換で思い切った戦略性ある行動をとってみるのも一つの手かな?と思うことがあります。

どうせ政府は為替市場に介入するはずです。要は円を売りドルを買うという行動に出るわけですが、単にドルを手元に溜め込んでおくのはどんなものでしょうか?

日本という国はエネルギー資源がありません。新エネルギーへの転換もまだまだ時間がかかります。その間どうしても石油に依存しなくてはなりません。であるなら、原油価格もそこそこの水準にまで戻ってきたことでもあり、その大量のドルで石油を大量に買い付け、しっかり備蓄に回す・・・・。

これで円高へのブレーキをかけると同時に、必須エネルギーの石油をしっかり確保しておく・・・・。

「そんなうまくいくはずない・・・・・。」という声も聞こえてきそうですが、実は結構いい点を突いているような気がしないでもありません。


いずれにせよ、日本の銀行が傷ついていないことを願うばかりです。

これから先当面日本企業は赤字経営に苦しむことが十分予想されます。それを恐慌へと発展させないためにも赤字運転資金を供給して企業の存続を図ることが銀行の社会的使命です。今から起ころうとしている金融面での有事を、何とか銀行が資金の供給(信用の供与)という形でしっかり実行して日本経済を支えて欲しいものだと願っています。

そのためにも、日本の銀行界はすぐにでも経営内容・資産内容を細かく公開して欲しいものです。



追記:
今政府が進めている経済対策で公明党から提案のあった定額減税について、該当する各家庭に減税分のクーポン券を支給するという方式が考えられているようです。つまりお上から金券が支給されるんですなあ・・・・。果たして大丈夫なんでしょうかね? またぞろ詐欺や偽装の横行で大変なことになりそうな感じがしないでもありません・・・・・。

最近、今まで積もりに積もったありとあらゆる社会の膿がドーっと溢れ出てきているような感じで、その一つ一つに思うところこれあり、それをこのブログに書き込みたいと思ってはいるのですが、出来事があまりに多すぎて、とてもとても小生のほうが追いついていけません。

まとまったことは改めて・・・・とうことで、とりあえず今気になっている事柄を挙げてみると、

1.伊藤ハムのシアン含有汚染地下水使用の問題。

2.株価の下落と円高スパイラル。

3.解散を先延ばしにする麻生政権の狡猾的戦略。

4.官僚民主主義が日本を滅ぼす・・・。

5.小生が誇りに思う北海道日本ハムファイターズの姿  etc etc


いずれも重いテーマで、いずれもかなりの時間とエネルギーが必要な感じです。
今日はちょっと持病が出てきたこともあって、これらのテーマはちょいと先送りに・・・・・。


それで、一昨日書いた「大解体!」の顛末をお知らせしておきます。

昨日一日は日曜日で作業はお休み。で、本日朝8時からまた始まりました。
「ズシーーーン・ガラガラ・・・・・ズッシーーーーーン・・・・・」。
我が家は「ズン・・・・、ユラユラユラ~~~~~~」。

今日は基礎のコンクリートの破砕・解体ということで、前回以上に音や震動が激しいようにも感じます。

それでも、午後3時頃には作業終了。

かつてアパートが建っていた土地は見事に更地に生まれ変わりました。

kaitai011.jpg

ここはこの後砂利を敷いて駐車場にするとのことです。

このパワーショベルのオペレーターは正直、腕がいい職人さんでした。
無駄の無いスムーズな動きで、必要最小限の時間で一仕事を仕上げました。
そのプロの技には脱帽です。拍手